基礎学力をつける社会科と総合の授業のあり方

教材・授業開発研究所代表 有田 和正

平成16年5月8日



1年半も経たないうちに学習指導要領が変えられるという事態。全面改定。これだけ変えなくてはならない原因は何か。

学力低下論。学力低下の風が吹き荒れている。

発展学習は、学習指導要領にある事柄が基礎基本で、それに出ていない事柄を言う。ところで今の教科書は教科書ではない。パンフレットだよ。 こっそりページを増やしてくださいと言われ、算数と理科は2割ページが増えた。国語と社会は1割が増えた。
文科省は発展学習に迷って、迷っている。文科省の前にちょうちんでもつけてやらないといけない。現場の声を文科省に声を届けないといけない。一寸先は闇だ。

学力低下の原因は内容3割削減。授業時数15%削減。昭和43年版の学習指導要領の4教科の1年から6年は3491時間。平成10年版では2941時間。1000時間減ったぞ。勉強千時間(べんきょうせんじかん)。総合的な学習。力のつかない遊び時間となっている。

学習指導要領の総則を変えた。学習指導要領は内容の最低基準。読売新聞の記者が出し抜いたのだ。3年前の1月5日の新聞で発表。それまでは標準基準。最低基準をクリアした子どもは発展学習をということになった。

基礎=応用の利く知識、技能
「はてな」発見技能・・・いろいろなものを見て「はてな」と見る力。

九州で見た授業シーン
「どうして地球儀が傾いているの?」「僕がやったのではありません。」教師に言ったら「買ったときからそうなっていたのです」

地球儀を出したら、子どもはどうして傾いているの?と絶対に聞くよ。もし出なかったら教師が聞かなければならない。どうして傾いていると?

 



今はどこでも朝顔でしょ。朝顔を研究的にやっているのを見たことはない。一つにミミズを30匹を入れる、入れない。その違いは?

ミミズは二つに切る。三つに切る。どうでしょうか。生きるでしょうか。4つに切ってみる。どうでしょうか。

はてなを持たせる→これが科学の出発点。
これをつけるためにどんな授業をしたらよいか。
これだけは何としても教えたいことを鮮明に持つ。
教材研究から出てくるものだ。教科書の使い方を変える。教科書が真っ黒になるほど書き込む。社会科の教科書の場合は見開き2ページで1ページ。キーワードをちゃんと見つけてやる。
教材研究の基本は教科書を30回は読む。40〜50回を読む。何回も何回も読む。教科書をひたすら読む。現地に行ってみる。現地主義。

授業とは、どうしても教えたいことを子どもが追究したいというものに転化するもの。そのために教師の技術が必要である。

 



良い授業を創る技術
1 発問・指示
教材研究をするというのは、発問が出てくるまでする。資料が頭に浮かんでくるはず。
2 板書
板書・・・集約、焦点化するように書く。構造化することが大切。
何を書いて何を書かないか。
チョークの使い方。基礎基本。
3 資料活用
4 話し合い

話し合いになっていない。
話題がはっきりしていること。
話題についてのずれを埋めるのが話し合い。
共通基盤がある。
5 話術、表情が大切。パフォーマンスが大切。
6 人間性
 対応の技術 パッと臨機応変に。
 逆手を使う。子どもの心理を読んで切り返しをする。普段から心がけておく。これはなかなか身につきにくい技術である。

1時間に1回も笑いもない授業をした教師はただちに逮捕するという条文を入れてほしい。

難しいほどおもしろいという子どもを育てたい。学ぶことが人生最高の贅沢な遊びである。遊びは三日したら飽きますよ。



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