授業、この楽しくも悩ましきもの
副島孝(小牧市教育長)


1 授業の奥深さを知る。
 教師の醍醐味:自分で授業を設計できること
 授業の難しさ:どんな準備をしても満足のいく授業はなかなかできない。
 授業の奥深さ:だからこそ教師が全力をかけて取り組む価値がある。

2 影響を受けた人たち
<斉藤喜博>斉藤氏の周辺の教育学者の心酔ぶりが印象的であった。死後、彼らの存在感の無さは何を物語るのか。
<板倉聖宣>実験付きの講演を聞いて、そのとりこになった。物事の見方、見通しの的確なことで、今も私は彼の書いたものを読み続けている。
<向山洋一>教育の問題は教師の力量に原因があると断言する「学校の失敗」くらいは一度目を通しておきたい。
3 仲間・同僚の存在
 身近にはすばらしい人物が少なくない。周囲に魅力ある教師がいても気づかない人もいるが、同じ思いの人間はいつの間にか知り合う。吸収するだけの人でなければ、いっしょに勉強する仲間ができるものである。

4 授業づくり
ア 授業は無意識に自己の体験から影響を受けている。
イ 学ぶに値する内容を
ウ 授業づくりの基本
エ 子どもたちの変化
 学ぶこと自体の楽しさ以外に、学習意欲を向上させることは困難。
オ 授業と予習・復習
 家庭学習時間の不足を塾で補うことはできない。

5 実証的な教育研究を
教育研究は、情緒的な、努力しましたというだけのものになりがち。大きすぎるテーマ、曖昧な結論、明記されない引用、都合の良い事実だけの記述など、共通の欠陥を持つ。対象範囲をしぼった具体的なテーマで取り組み、失敗も成果として記述すべきだと考える。

6 その他
 1か月に1万円くらい書籍を買って読んでみることを勧める。ただし、書籍を鵜呑みにしてはいけない。読書量が増えると、自己判断力が増してくる。それが大切なのである。

教育委員だより
http://www.komaki-aic.ed.jp/kyouikuiindayori/H13/mokuji.htm